診療内容
胸の痛み
胸の痛み(胸痛)に関連する主な病気
胸が痛みは、様々な病気の時にあらわれる症状です。
心臓だけではなく、血管や肺、胸膜、神経、筋肉、一部の消火器の臓器などに異常があった場合でも胸に痛みを感じることがあります。
胸の痛みは重要な病気のサインである可能性が高いため、軽視せずにきちんと検査を受け、原因を調べることが大切です。

心臓・血管の病気
●狭心症
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体を動かしている時に、胸部中央から左側にかけて締め付けられるような痛みや圧迫感
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痛みは数分でなくなる
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時に首や肩などにも広がるような痛み(放散痛)や上腹部の痛みなどの症状が生じる
●急性心筋梗塞
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急な胸部の激痛(30分~数時間続く)
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血圧低下、顔面蒼白、吐き気、冷や汗、呼吸困難などの症状が現れる
●急性心筋梗塞
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急な胸部の激痛(引き裂かれるような激しい痛み)
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背中から腰にかけた痛み
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けいれん、足の痛み、腹痛、失神や意識障害などの症状が現れる
肺や胸膜の病気
●気胸
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やせ型の若い男性に多い
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突然の胸痛と息苦しさ
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深呼吸により痛みは増強し、継続する
●肺炎
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炎症が肺を包む胸膜にまで及ぶと、強い胸の痛みを感じるようになる
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体力が落ちている人や、免疫力の弱いお年寄りに二次感染症として多くみられる
●胸膜炎
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細菌などの感染症が原因で発症し、発熱や悪寒を伴う
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鈍い痛みで、呼吸によって症状の変動があることが多い
●急性肺血栓塞栓症
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長時間同じ姿勢で座っていたりして、足や骨盤内の静脈に血栓ができ、肺の血管を塞ぐことによって起こる
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急激な呼吸困難、胸痛、咳、血たんなどが現れる
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血圧低下によるショック状態になり、突然死することもある
神経・筋肉・骨の病気
●帯状疱疹
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激しい痛みをともなう小さな水ぶくれが体の片側の胸部の肋間神経に沿って現れる
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お年寄りや疲れが溜まっている人など、体の免疫力が落ちてきたときに発症しやすい
●肋間神経痛
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肋間神経(肋骨に沿って走行する神経)が何らかの原因で障害されて生じる突発的な痛み
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痛みは片側性で強く、深呼吸や咳や体位の変化でも増強することがある
●肋骨骨折
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安静時には鈍い痛みを認め、体位変換、深呼吸や咳、押した時に痛みが増強する
消化器の病気
●逆流性食道炎
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胸骨付近に生じる胸痛で、嚥下困難や胸やけ、吞酸(のどの辺りや口の中がすっぱく感じる状態)などの症状を伴う
●胃潰瘍・十二指腸潰瘍
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潰瘍の部位によって、胸の痛みとして自覚することがある
心因性(ストレス性)の胸の痛み
検査をしても何も異常を認めないが、精神的負荷がかかった時に胸痛、動悸、息切れなどが起こる
胸の痛みが気になったら
胸の痛みの原因は非常に幅広いため、胸痛を感じたら症状をメモし、伝えられる範囲で医師や看護師に説明することが大切です。「痛み」を詳しく伝えるのは、難しいことだと思いますので、以下にチェックポイントを紹介します。
高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙などは動脈硬化の危険因子であり、生活習慣病の方は動脈硬化を加速させてしまいます。
胸の痛みのチェックポイント
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今も痛むのか? 今は痛みが消えているのか?
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どんな痛みか?
(刺すような痛み、鈍い痛み、圧迫されるような痛み、締め付けられるような痛み、ピリピリする など)
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痛みの部位はどこか? 痛みの部位は移動するか?
(左胸部、前胸部、背部、首や肩のあたりまで、局所的 など)
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痛む範囲は?
(胸全体が痛い、特定の部位が痛い、手のひら位の範囲が痛い など)
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痛みの強さは?
(今まで経験した最悪の痛みを10としたらどの程度か?)
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どんな時に痛むか?
(安静時でも痛む、動いた時に痛む など)
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痛みはどれくらい続くのか?
(数秒、数分、数時間 など)
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症状はいつからで、どのくらい続いているか?
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姿勢の変化や呼吸、軽い作業などで痛みが変化するか?
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痛み以外の症状はあるか?
(呼吸困難、発熱、吐き気、冷や汗、水疱 など)

心臓の病気の場合は、生活習慣病との関連が深いため、健康診断で指摘された項目などについてもご質問させていただくことがあります。