診療内容
頭痛
つらい頭痛は医療機関に相談を
頭痛によって仕事や家事、学業など日常生活が思ったようにできず、つらい思いをされている方は非常に多くいらっしゃいます。
頭痛はありふれた症状であることから、「たかが頭痛」「病院に行くほどでもない」「今、痛いわけじゃないし・・・」と受診をためらうケースが見受けられますが、日常生活に支障をきたすような頭痛に悩んでいる方や頭痛が慢性化している方は、気軽にご相談いただきたいと思います。

頭痛のタイプ
頭痛には、脳には異常のない一次性頭痛と、脳に異常があっておきる二次性頭痛があります。
●一次性頭痛
脳に異常がない頭痛です。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。ほとんどの頭痛は一次性頭痛で、命にはかかわらない頭痛です。
●二次性頭痛
脳の疾患(くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎など)が原因で頭痛が起きているタイプです。命にかかわる危険性があるため、できるだけ早く専門の医療機関を受診する必要があります。
二次性頭痛かもしれない、と思ったら
以下のような頭痛があったら、救急車を呼ぶか、お近くの救急医療機関へ直接ご相談下さい。
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今まで経験したことのない頭痛
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しびれや麻痺、けいれんなどの神経症状を伴う頭痛
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頭痛があり、ろれつが回らない
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がんや免疫不全などの病気がある方の頭痛
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発熱や首のこわばり、吐き気・嘔吐などを伴う頭痛
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頭部の外傷
一次性頭痛について
長期にわたりくり返し起こる代表的な慢性頭痛(一次性頭痛)として知られているのが「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つです。一次性頭痛の大部分を占めるのが「片頭痛」と「緊張型頭痛」ですが、両者が合併することもあります。
片頭痛
●特徴的な症状
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痛みは強く、「ズキン、ズキン」「ドクン、ドクン」と脈打つような痛み
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嘔吐、吐き気を伴うことがある
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動くと痛みが増す(じっとしているほうが楽)
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頭痛の時に、光や音、臭いなどに過敏になりやすい
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頭痛が起きる前に、突然視野の中にギザギザした光の波がでてきて、四方に拡がり、その場所が暗くはっきり見えなくなる現象(閃輝暗点:せんきあんてん)と言われる前兆を伴うことがある
●原因
脳の血管が拡張することにより起きる頭痛です。
疲労やストレスが主な原因と考えられています。
女性ホルモンの関与も指摘されており20~40代の女性に多く発症する傾向があります。
緊張性頭痛
●特徴的な症状
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頭に金属の輪をはめて、締めつけられるような痛み
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後頭部から首すじにかけて、重苦しい感じ
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首や肩のこりを伴うこともある
●原因
肩や首のこり、筋肉の緊張から生じる頭痛です。
精神的なストレスも影響すると考えられています。
群発頭痛
●特徴的な症状
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比較的珍しい頭痛
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眼目の奥をえぐられるような激しい痛み(じっとしていられないほどの痛み)
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比較的男性に多い頭痛
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夜間(睡眠中)や明け方に頭痛発作が起こりやすい
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頭痛発作時には、頭痛と同じ側の目や鼻に涙・鼻水・鼻づまりなどの症状も現れる
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数週間~数か月にわたって、ほぼ毎日、同じ時間帯に頭痛発作が起こる
●原因
解明されていません。
薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)
頭痛になりやすい方が長期間にわたり頭痛薬を月10日以上服用している場合は、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)を起こしている可能性があります。
下記のような症状がある方は、薬物乱用頭痛の可能性がありますので、ご相談ください。どのように薬を中止するのか、薬を中止したあとに起こる頭痛の対処法や予防についてご提案いたします。

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以前から時々頭痛がある(片頭痛や緊張型頭痛と診断されたことがある)
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1ヵ月に15日以上は頭痛がある
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3ヶ月以上前から頭痛薬(鎮痛薬)を服用していて、月に10日以上薬を服用している
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今まで効いていた頭痛薬が効かなくなったように感じる
天候の変化に伴う頭痛
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雨が降る前に頭痛がする
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気圧が変化すると頭痛がする
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季節の変わり目に頭痛になりやすい
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台風が来ると頭痛がする
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梅雨時期は頭痛になりやすい
など、天候の変化によって頭痛になる方は多いです。
天気や気圧の変化で、身体がストレスを感じることがあります。
特に気圧の影響で、内耳や自律神経が敏感に反応し、脳の血管が拡張したり、むくみが生じたりして頭痛が起こると考えられています。
天候の変化に伴う頭痛でお悩みの方も、お気軽にご相談ください。

頭痛の治療
●頭痛に影響されない日常生活を目指します
頭痛の治療薬は進化しており、大部分の頭痛には有効な治療法が存在します。
頭痛は種類によってメカニズムや治療薬が全く異なるため、患者さんのお話をお聞きし、総合的に頭痛の原因を考え、適切な診断・治療に結びつけるよう努めていきます。
一緒に、頭痛に影響されない日常生活を目指しましょう。
●服用のタイミングも大切です
頭痛に効果のあるお薬は、服用のタイミングが大切です。
どのタイミングで服用するのがよいのかは、診療を行った上でご提案させていただきます。
自分にあったタイミングを見つけていきましょう。

いつも服用している鎮痛薬がある方は、お薬手帳かお薬の写真などをお見せください。